はじめに

近年、コンピューターの演算性能は飛躍的に上昇し、音声の加工はアナログでなくデジタルで実施することが当たり前となりつつあります。音声処理関連のライブラリやAPIも充実し、パラメーターを与えるだけで所望の機能が実装ができるようになる便利な世の中になりました。

一方で、なぜこの実装でこの機能が実現できるのか?この機能をさらに発展させるにはどうすれば良いのか?といった個人的な疑問も多く生まれました。色々できるが故に分からないことも山積みです。

そこで本記事では、デジタル音声信号処理についての基礎的な内容を中心に、CPUやDSPといったハードウェアに実装することを見据えた実用的な入門記事を目指します。

ホワイトノイズ再生デモ

記事ではAudioWorkletを使用して、実際に音声が聞けるようにデモ環境を整えます。

以下のデモは、AudioWorkletを使ってホワイトノイズを生成する簡単な例です。再生に失敗した場合、別のブラウザを使用してください。私の環境ではMicrosoft Edgeを使用しています。

デモ: ホワイトノイズ